水処理方法
水処理には様々な方法がありますが、近年ニーズの多い方法としては、以下のものがあります。
活性汚泥法と膜分離を組み合わせた処理ができるMBRは、膜で固液分離するため、安定して高度な処理水質が得られ、主に工業廃水及び生活排水などの処理に適用されます。
またMBRは、活性汚泥濃度を高めた廃水処理が可能であり、設備の設置面積が少なくてすむ利点があります。透水性が高く、閉塞が起こりにくい平膜タイプのエレメントを採用し、素材には物理的・
化学的強度に優れたPVDFを使用します。
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逆浸透膜はイオンの分離が可能で、この膜を使用することにより、イオンを取り除いた純水を製造したり、廃水をリサイクルして.
再度製造工程で使用することが可能となります。
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水中の浮遊物質、コロイドや細菌などを除去対象とし、主に飲料水や工業用水の製造、廃水処理などの用途に使用されます。
また、RO膜処理の負荷を軽減させるために前処理設備としても利用されています。PVDF(ポリフッ化ビニリデン)を素材とする中空糸膜を採用し、高透水性に加え物理的耐久性と化学的安定性を兼ね備えています。
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好気性処理
酸素が十分ある状態で、好気性微生物によって、汚水を酸化させ
浄化する方法です。
活性汚泥法、接触ばっ気法、長時間ばっ気法などが代表的な好気性処理です。
嫌気性処理法
好気性処理に比較し、長所は、①ばっ気エアを使用しないので省エネルギー、②メタンや窒素・リンなど有用物質の回収が期待できること、③余剰汚泥発生量が少ないなどが挙げられます。
短所は①処理水質を満足させるためには追加処理が必要、②微生物の増殖速度が遅く水槽内での長い滞留時間が必要、③凝集沈降性に劣り汚泥滞留時間が長い。④低い有機物濃度の排水に対して効率的な処理が難しい、などが挙げられます。
除鉄・除マンガン処理法
水に異臭味を与えたり、褐色や黒褐色の沈殿物となりやすく汚染を引き起こします。またスケールや鉄バクテリアの発生により管の閉塞や熱効率を低下させます。鉄はアルカリ性領域で水酸化第一鉄として沈殿除去や塩素添加+曝気で酸化し中性で水酸化第二鉄として沈殿除去する方法が一般的です。マンガンは塩素や過マンガン酸カリウムなどの酸化剤添加により二酸化マンガンに酸化処理するのが一般的です。
急速ろ過処理法
凝集用薬品を用い水中の濁質を凝集させ、フロック(水の濁りの固まり)を生成し沈でん池内で沈でんさせた際に、沈でんいなかった細かいフロックを砂ろ過で除去する方法です。
緩速ろ過方式に比べて、高濁度の原水でも十分処理でき、さらに用地面積が小さく済むという大きな利点があります。ただ、緩速ろ過方式に比べて、ろ過水質は若干劣る傾向にあります。
活性炭処理法
活性炭とは、水処理に用いられるろ過材の一つです。
活性炭を用いた吸着では、炭に開いている小さな孔に不純物が入り、その不純物の吸着を行います。表面積が非常に大きいため、吸着性能が高くなるためです。活性炭には、褐炭などを原材料とする石炭系のもの、ヤシガラやおがくずなどを原材料とする植物性のもの、骨などを原材料とするものなど、様々な種類があります。
難分解性有機物質の除去に有効で、COD除去、染色計排水の色度除去などに有効です。
凝集沈殿処理法
一般に粒子は負に帯電しています。電荷を中和するために正の電荷をもつ凝集剤(無機凝集剤や高分子凝集剤のカチオン系のもの)で表面電位をなくし、粒子相互の反発力を弱め、凝集を促進します。
粒子の表面の荷電中和を行い、懸濁粒子群のゼータ電位が適正な範囲内に調整することで、粒子間の引力が表面電荷の反発力を上回り、粒子は結合しょ沈殿が促進されます。粒子の表面電位はpHによって変化し、等電位点(電位が)に近づくと表面電位は消失し、凝集が始まります。用水、排水処理に広く用いられます。
高度処理法
通常の二次処理で得られるよりも高度な処理水質を得ることを目的とした処理です。
放流先における上乗せの水質保全や、処理水の再利用を行う場合など、高度な処理が必要です。方法としては①二次処理後にプロセスを追加する方法で、急速ろ過やオゾン酸化、活性炭吸着といった理化学的な処理、また殺菌としては通常は塩素による消毒プロセスですが、高度な水質を求める場合には、UV やオゾンによる方法があります。②反応タンクの構造や運転方法による方法で、リンや窒素を高度に除去します。循環式硝化脱窒法や硝化内生脱窒法、りん除去には嫌気好気活性汚泥法、窒素・りん両方の場合には嫌気無酸素好気法といった選択をします。
有価物回収
工場で使用済みの廃液などから有価物を回収、またはラインでの再利用を可能を目的とします。
逆浸透膜を用いた濃縮装置は、液体を高濃度に濃縮することが可能です。塗料排水濃縮、脱塩、金属回収等様々な用途に用いられます。